2024年8月-闇金セキ解決しました

実録　ヤミ金交渉の現場

今回は、実際に交渉したことのあるヤミ金に関しての実話をお伝えしたいと思います。

無数に存在するヤミ金の中から、最近よく目にとまる業者をひとつだけ選んでみました。
以前から一定数の相談はありましたが、ここ最近で被害の多い傾向にあるヤミ金セキという業者についてです。

ヤミ金セキの傾向

多くの業者と同様に、堂々とヤミ金を名乗って貸し付けを行う違法業者です。
具体的には、支払周期は7～10日の短期間で、利息は元金から見ても倍以上取られます。

よくある手口として、返済日になると連絡が取れなくなり、完済したくても出来ない状況にされてしまいます。
しかも、そのような相手の都合で約束が守れないという状況でも、しっかり利息は請求されます。
また、ここ数か月でに確認されているセキの電話番号は以下の通りです。

09088938295
07043156485
08087637144
08084209398
07041188304

当然ながら、約束通りに払えなければ職場や家族への嫌がらせが始まり、借り主を精神的に追い込んできます。

ヤミ金セキの解決事例

今回の依頼者Ｂさんは、合計５件のヤミ金からお金を借りて、これまでは相手の要求通りに高い金利をなんとか返済していましたが、働いていた会社の業績悪化で仕事が減ってしまい、収入が激減して返済に行き詰まりました。
ヤミ金からの督促が日増しに激しくなり、耐えきれなくなったＢさんは専門家に頼るべく司法書士事務所への相談を決断します。

そこでＢさんから申告を受けた闇金との取引内容は、全ての業者に対して毎月何万円という金額を何か月も続けて払ってきているというものでした。
その経緯から、Ｂさんがこれまでヤミ金から受け取った金額に比べても、それをはるかに上回る相当な金額を払ってきたということに疑いはなく、全てのヤミ金に対して、これ以上は1円たりとも払わないという方針で交渉を進めることになりました。

ほぼ全てのヤミ金業者が和解に応じ、これ以上の請求はしないということで交渉は順調に進んでいるように見えました。
ところが、このケースにおいてはセキだけが違いました。

確かにＢさんから払ってもらったお金は、自分が出してきた金額を上回ってはいるが、そんなことは関係ないと。
それはそれで既に終わった話であり、最後に融資した3万円については約束通りの返済を受けていないからそれを今すぐ全額払えと、最後の取引だけにスポットを当て、そのような主張をしてきました。
（セキだけに限らず多くのヤミ金によくある傾向です。）

何千円の利息を払えずに事務所に相談したＢさんにとって、3万円などという金額は大金です。
そのような金額をすぐに用意できるなら、Ｂさんは専門家に相談することはなかったでしょう。

そこから交渉を重ねるも、相手が主張を曲げる気配はなく、決裂するのも時間の問題というところまできていました。
もうその頃にはＢさんも覚悟を決め、職場や家族への嫌がらせが来るのを承知の上で、相手の要求を突っぱねようかという決断の一歩手前です。
ですが、繰り返しの交渉が最後に実を結び、セキはこれ以上の請求はしないという態度に変わりました。
ただし、これもよく見かけるケースですが、次にＢさんが他のヤミ金への融資申し込みなどをしているのを見つけたら、その時は必ず取り立てるという捨て台詞を最後に、セキとの交渉は終了しました。

この結果をもって、Ｂさんは今回関わっていた全てのヤミ金と縁を切ることができました。
ただ、今回のケースにおいて、事務所の介入が解決への大きなきっかけであることは間違いありませんが、これまで約束通りに払おうと頑張ってこられた、Ｂさんの努力も無関係ではなかったでしょう。

多くのヤミ金業者は、一般社会以上にひとりひとりの人間性などを非常によく見ています。
お金の問題だけでなく、これまでの経緯や普段のやり取りなどの要素が大きく影響するため、ヤミ金との和解はセオリー通りには進みません。