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現場から伝える時効の話 | 2

借金時効援用のよくある相談

ある日突然届く督促状

たとえば、10年や15年以上も前に借りていたところから、急に督促状が届いたので驚いて相談したという依頼者は多くいます。
このように、自分が借りたことを本当にすっかり忘れていた、というケースも非常に多くみかけます。

また、借金を放置していることは頭の片隅にずっとあったけど、ズルズルとそのままにしていたらとうとう通知が届いた…というのもよくあるお話です。
中にはまったく覚えのない債権回収会社や弁護士事務所から通知が届くこともあります。
債務者と連絡が取れなくなり、回収出来ずに困った貸金業者が、別の債権回収会社に請求の権利を売却したり、回収の業務を弁護士に委託したりするケースです。
いずれにせよ、そんな昔のことを急に言われても…と言いたくなる気持ちもわかりますが、これは貸している側の正当な権利なのです。

まずは、自分が請求されていることを素直に認め、これからどのように行動するべきかを冷静に見極める必要があります。
借金が残っていることは分かったが、果たしてこれは返済しないといけないのかどうか?
早めに専門家に相談し、出来るだけ可能性を探りましょう。

 

援用しなければ請求は続く!

借金の時効についての相談を受けていると、「今更こんな通知が届いたけど5年以上前のことなので時効ですよね?」という質問をよく耳にします。

ここは本当に大事なところですが、借金というのは5年経っても10年経っても時効の援用手続きを取らない限り、請求はなくなりません
中には、ある弁護士に相談したら「時効になってるからこのまま放置でいい」と言われた…という話もそこそこの頻度で聞こえてきます。これはもう、とんでもないお話です。
そして、それを真に受けて放置していたら、裁判所から通知が届いたという相談も決して少なくはありません。

これは余談ですが、法律家だからと言ってすべての人がすべてを知り尽くしているわけではないのです。
どのような世界にも、その道のエキスパートがいますので、専門家に相談する際は借金問題に強い事務所を選びましょう

また、自分で援用手続きを取ることも、物理的には可能ですが、やり方を間違えると大変です。
時効の援用に失敗すると、時効はリセットされて逆にそこからの督促が厳しくなる等、本来望んでいたのと真逆の状況に陥ってしまう可能性があるため、やはり専門家へ依頼した方がいいでしょう。

 

裁判を起こされてもまだ時効で解決できる!

こちらも頻繁に見かける問い合わせのひとつですが、「裁判所から通知が届いたらもう時効では解決出来ないのですか?」というものです。

結論から言うと、時効の要件さえ揃っていれば、たとえ裁判を起こされても時効での解決は可能です。
ただし、裁判にはいくつか種類があり、それによっては対応の方法も少し違います。

また、必ず期日というものがありますので、いついつまでにこれをしないといけない!ということが決められています。
裁判所から通知が届いたら誰もが驚いてしまうと思いますが、落ち着いて行動しましょう。
繰り返しになりますが、大前提として時効の要件が揃っている必要があります。

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また、こちらも自力での対応は間違えると取り返しがつかないことになる可能性があるため、その点も含めて頼れる専門家に相談した方がいいでしょう。

 

 

この記事を書いた人
執筆者:oden
新卒で大手司法書士事務所に入所し、知識ゼロから債務整理業務の補助者として業務に当たる。
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