ひととき融資とは?
皆さんは「ひととき融資」というものをご存知ですか?最近テレビにも取り上げられることが増えてきたトラブルです。
ひととき融資とは、お金を貸すことの見返りとして性交渉を要求される個人間融資のことです。男女の間で肉体関係を伴う「ひととき」を過ごすという条件の下でお金の貸し借りが行われることから、「ひととき融資」と呼ばれています。
ターゲットは女性に多く、生活に困った若い女性、シングルマザー等が対象になりやすいでしょう。
ひととき融資は主にインターネット上でやり取りし、実際に会って関係を持った後、融資が行われます。マッチングアプリや出会い系サイトを介して繋がることも多いでしょう。返済条件は決まっていませんが、利息が高額であることも多く、お金を貸した側が個人と偽り、そのバックには闇金業者が隠れているというかなり悪質なケースもあります。
ひととき融資の恐ろしさ
当事者の合意の下なら犯罪にならないのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ひととき融資はれっきとした犯罪です。
どんな罪に問われる可能性があるのでしょうか。
貸金業法違反
繰り返しお金の貸付けを行うことは、貸金業法上の「貸金業」に該当し、「貸金業」を営むものは、必ず金融庁に届出をしなければならないと定められています。届出を提出せずに貸金業を営むのが、いわゆる闇金=違法業者です。
ひととき融資をしている人は融資を日常的に行っていることも多く、また、不特定多数が閲覧できるインターネット上で融資を勧誘しています。この行為そのものが貸金業法の規定に抵触する恐れがあり、このような「貸金業」の無登録営業や無登録業者による勧誘は、いずれも刑事罰の対象となります。
出資法違反
お金の貸付けの際に付する金利の上限には、出資法と利息制限法という2つの法律が関わっています。
出資法とは、一定の基準を超える高金利を取った場合などについての刑罰を定めた法律で、「一般大衆の財産を守ること」を第一の目的として定められました。借り手であるという弱みにつけ込まれて、高額の手数料を取られてしまうという事態を防ぐ、いわばお金を借りる側を守ってくれる法律です。個人間での貸し借りの場合、年率109.5%を超えると刑事罰の対象です。
また、お金の貸付けを行う際には、貸金業者であっても、個人間であっても、元本の金額に応じて、利息制限法によって利息の上限が決められています。
10万円未満→年20%、10万円以上100万円未満→年18%、100万円以上→年15%です。
その利息の上限を無視して貸し付けた場合は、出資法違反として、刑事罰の刑罰が科せられるのです。
ひととき融資・個人間融資では、利息がこれらを上回る高額であることも多く、その場合は出資法違反となります。ただ、最近では、利息はなしで身体の関係だけを求めるケースもあり、貸し手がどこを求めるかによっても変わってくるでしょう。
強制わいせつ・強制性交等罪
ひととき融資は、借り手も一旦は「ひととき」込みでやり取りを承諾しているわけですが、実際に会ってみてやっぱり関係を持つことを嫌だと感じたり、一度関係を持った後、後悔に苛まれてしまう等、いろんな感情が生まれてくることでしょう。こうして次第に身体の関係を断り、それでも貸し手が無理やり性交渉をしようとすると、強制わいせつ罪、強制性交等罪になってしまいます。
脅迫罪・名誉毀損罪
借り手はお金を借りたという弱みから、貸し手の要求を中々断ることが出来ません。
それでも意を決してNOと意思表示をすると、逆上した貸し手に「お金を借りたこと、身体の関係を持ったことを家族や職場にバラすぞ」と脅されることがあります。
また、万が一、裸の写真を渡したり、撮られたりした際にはそれらをインターネット上で公開する、という脅迫もあるようです。
いずれにしても絶対にあってはならない最低な犯罪行為です。
お金に困ったときは
このように、ひととき融資は、様々な犯罪やトラブルに発展していく可能性が非常に高いです。周りの誰にも相談できず、この方法が一番後腐れないだろうという思いから手を出してしまうと、後々大変なことになってしまいます。
何の見返りもなく、お金を貸してくれる人など世の中にいません。
お金に困ったときは、危険な個人間融資などに手を出さず、行政や専門家を頼って下さい。自治体によっては援助が受けられたり、長期に渡る困窮であれば生活保護を受けることもできます。借金があるのなら、弁護士や司法書士に相談して、債務整理で返済額を減らすことも可能です。適切な方法であなたの生活を立て直してくれるでしょう。
そして、もし今現在、このようなひととき融資の被害に遭っている方は、直ぐに弁護士、司法書士にご相談下さい。
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この記事を書いた人
執筆者:chie
士業専門の総合サポート会社に勤務。士業の先生方の紹介やインタビューを担当。
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